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三枝博音文庫(Saigusa Hiroto bunko)

旧蔵者のプロフィール
三枝博音(1892-1963)
 本学第4代学長。文学博士。1922年東京帝国大学文学部西洋哲学科卒業。
 カント、ヘーゲル、ディルタイの研究を出発点とし、ドイツ留学後、1932年戸坂潤等と唯物論研究会を組織した。
 戦前から戦後にかけて『日本哲学全書』(1936)『日本科学古典全書』(1942-49)『日本哲学思想全書』(1955-57)の編集により日本の科学思想を発掘・集大成し、また三浦梅園の研究、日本の唯物論史、科学・技術史に関して数々の先駆的な著作を残した。
 戦後鎌倉アカデミア校長を経て本学教授・文理学部長・学長、日本科学史学会会長を歴任したが、1963年国鉄鶴見事故で不慮の死を遂げた。『三枝博音著作集』全12巻、別巻1(1972-73)は毎日出版文化賞特別賞を受賞した。

文庫の特色
哲学、科学・技術史研究の泰斗である三枝先生の蔵書は、当然その専門分野が中心となるが、さらに日本思想史、日本文化論、産業論、文学にまで範囲が及び、和漢洋併せて6,600冊である。その内洋書はプラトン、アリストテレス、カント、ヘーゲルなど1,140冊、和漢書は本居宣長をはじめとする国学、儒学各派の思想家から西田幾太郎にまでわたるものを中心に、その他の教養書をも含んだ5,460冊である。なかでも先生が心血を注いだ『日本哲学全書』『日本科学古典全書』に使用されたと思われる江戸時代の版本・写本200余点(700冊)、漢籍50点(420冊)が貴重である。
 主なものとしては、中国最古の農書『齊民要術』([清]刊)、マテオ・リッチが中国に伝えた『幾何原本』、先生が早くから注目し翻刻した中国明代の珍しい産業技術書『天工開物』(明和8刊、ほか)、幕末の蘭学者川本幸民が著した日本物理学史上の記念碑的著作『気海観瀾広義』、川本自身が筆写した蘭学書4点、三浦梅園、皆川淇園の諸著作の版本など、洋書ではG. W. F. Hegel "Wissenschaft der Logik" (初版,1812-16,)、"Histoire naturelle de Pline:traduite en fran?ois, avec le texte latin..." 12 vols. (1771-82)などがある。

目録
『三枝博音文庫目録』全3冊
 「和漢籍の部」1~2(1968.11-69.9) 029.7/114/2,3 (本館・書庫)
 「和書(洋装本)の部・洋書の部」(1975.3) 029.7/114/6(本館・書庫)029.9/20(本館・書誌コーナー)


鮎沢信太郎文庫(Ayusawa Shintaro bunko)

旧蔵者のプロフィール
鮎沢信太郎(1908-1964)
 文学博士。1932年日本大学文学部文学科卒業、1936年東京文理科大学史学科卒業。
 日本大学教授を経て1950年に本学教授に就任され、第3代図書館長を務めた。しかし1964年5月、56歳という若さで逝去された。
 先生は、マテオ・リッチ世界図の研究を機縁に、その日本への影響、すなわち江戸時代日本人の世界観や海外知識の発展を終生のテーマとされた。先生の研究はほとんどが前人未到の分野であり、収集したり探索に及んだ資料はそのまま江戸期地理学の基礎資料となるものであった。それをもとに公にしたのが『鎖國時代日本人の海外知識―世界地理・西洋史に関する文献解題』(1953)で、今もって後学の人々に重用されている。
 そのほか主な著作に『マテオ・リッチの世界図に関する史的研究』(1953)『鎖国時代の世界地理学』(1948)『地理学史の研究』(1948)『山村才助』(人物叢書)(1959、新装版1989)などがある。

文庫の特色
マテオ・リッチ世界地図の研究、江戸時代の世界地理に関する研究書など、古地図、古地理書のコレクションとして全国で有数のものといえる。古地図328点(406図幅)、和漢古書677点(約1,700余冊)、洋装本(和洋書)1,251点(約2,000余冊)、総冊数3,985冊である。
 中心は江戸時代の古地図約280点で大半は日本製世界図であり、系統的に集められているのが特徴である。その他、露西亜図、日本図、蝦夷図等にも見るべきものがあり、また世界図の周辺に位置づけられる万国人物図、万国旗図譜、地名総覧などもかなり蔵せられている。
 古地理書500点は江戸期の代表的な地理、地誌を網羅している。なお、地図、地理書とも類図・類書が多く、比較実証研究に資した軌跡がうかがわれる。
主なものとして、古書では、日本で最初に刊行された世界地理書『華夷通商考』(西川如見)、鮎沢先生により発見され前著のタネ本であることが立証された『異国風土記』、中国の古地理書『職方外紀』の諸写本、『采覧異言』(新井白石)の諸写本、山村昌永自筆本の『訂正増訳采覧異言』、『北槎聞略』(桂川甫周)など、古地図では『輿地圖』(旧大陸図)、『地球萬國一覧之圖』、『地球萬國山海輿地全圖説』(長久保赤水)、『地球全圖』(司馬江漢)、『地球圖』(林子平)、『新訂萬國全圖』(高橋景保)、『(西洋古版)ロシア図』(レザノフ将来)などがある。

目録
『鮎沢信太郎文庫目録』(1990.3)029.7/114/10(本館・書庫)029.9/306(本館・書誌コーナー)


田中正司文庫(Tanaka Shoji bunko)

旧蔵者のプロフィール
田中正司(1924生)。
 現在本学名誉教授。経済学博士。
 1949年東京商科大学本科卒業後本学に就商学部教授、学長代行補佐、図書館長を歴任。1984年から一橋大学社会科学古典資料センター並びに大学院社会学研究科教授。1987年一橋大学定年退官後、神奈川大学短期大学部教授、1990年より同学部長を経て1994年定年退職。
 先生の研究は前半がジョン・ロック研究であり、後半は17、8世紀のイギリス道徳哲学、特にスコットランド啓蒙思想との関連でのアダム・スミス研究であって、常に根源的な視点から新しい領域を開拓し続けてこられた。
 代表的な著作としては、現在まで3回の改訂を重ねている『ジョン・ロック研究』(1968)、スミス四部作といわれる『アダム・スミスの自然法学』(1988)『アダム・スミスの自然神学』(1993)『アダム・スミスの倫理学』(1997)『経済学の生誕と『法学講義』』(2003)などがある。また、古典研究者の立場から現代への鋭い警鐘を鳴らす『アダム・スミスと現代』(2000)『日本の明日を考える』(2004)などがある。

文庫の特色
収蔵資料は、イギリス道徳哲学関係の古版本が184点(247冊)、ジョン・ロックの著作及び研究図書135点(164冊)、あわせて洋書319点(411冊)、及びアダム・スミス記念メダル1点である。古版本(貴重本)は、ジョン・ロックにはじまり、アダム・スミスを頂点とするスコットランド啓蒙思想に至る、17~19世紀のイギリス道徳哲学をテーマとしたきわめて収斂的な蔵書である。ジョン・ロック関連図書は、ロックの諸著作とともにロック思想の全領域にわたる研究書を収集したものである。
 主なものして、John Locke "An essay concerning humane understanding"(2版1694)、Francis Hutchesonの "An inquiry into the original of our ideas of beauty and virtue"(初版1725、2版1726、3版1729、4版1738)及び ”An essay on the nature and conduct of the passions and affections"(初版1728、3版1742)、Andrew Fletcherの "A discourse of government with relation to militia's"(1698)及び "Two discourses concerning the affairs of Scotland"(初版1698)、Henry Home, Lord Kamesの "Essays on the principles of morality and natural religion"(初版1751)及び "Historical law-tracts"(初版1758)、 John Trenchard "An argument, shewing, that a standing army is inconsistent with a free government..."(初版1697)、Adam Smith "The theory of moral sentiments"(初版1759)などがある。

目録
『田中正司文庫目録』(2003.11)029.7/114/11(本館・書庫)029.9/464(本館・書誌コーナー)